超ややこしい! Chromebookの「Chromeアプリ」は大混乱?

ちょうどいま、 Chromebook関連の仕事をしているので、いろいろ調べているのですが、そのアプリが、まぁ、異常にややこしいのです。最新のChromebookでは、基本的に以下のような種類があります。

  • Chromeアプリ……Web技術で開発され、独立したウィンドウて動作するアプリ
  • Webアプリ……Webブラウザ(つまりChrome)で動作するアプリ
  • Androidアプリ……Androidアプリ(最新のChromebookではPlayストアからAndroid用のアプリをインストールして利用できます)
  • 拡張機能……WebブラウザのChromeの機能を強化するアドインアプリ

このうち、「Androidアプリ」は、Chrome OS上でAndroid OSをエミュレートして、その上で動かすような仕組みのようです。

一方、それ以外の3つは、基本的にWeb技術を使って作られています。つまり、クライアント側はHTMLやCSS、JavaScriptなどで、サーバ側でデータベースとかと連携して動く仕組みです。なので、Chrome OS上でなくても動きます。

そして、GoogleはWindows/Mac/Linux上での「Chromeアプリ」のサポートをすでに終了しています。そのあたりの段取りについては、次の2020年1月17日の記事に書かれています。

Google、Chromeアプリのサポートを段階的に廃止 ~2022年に完全終了

基本的には、「Chromeアプリ」と「Webアプリ」は基本的には同じ仕組みのはずです。ただ、「Chromeアプリ」は独立したウィンドウに表示することで独立したアプリのように見せていて、「Webアプリ」はWebブラウザ上で動作するだけの違いのはずです。そのためGoogleは「複雑だからChromeアプリはもうやめよう」と思ったんだと思います。


ただし、以下の2021年10月20日の記事では、「Chrome OSだけChromeアプリのサポートを2025年1月まで延長する」となっています。


記事の最後のほうに「教育機関や法人のユーザーから猶予を求める声が……」とあるので、実際、そうだったんでしょう。日本ではGIGAスクールで大量のChromebookが小中学校に導入されているでしょうから、そこで入れたChromeアプリが使えなくなると、子供達の教育環境にも多大な影響が出てしまいます。

開発視点だと「Chromeアプリ=Webアプリ」と同じものでも、利用するユーザーから見ると「Chromeアプリ」はスマホアプリとか、WordやExcelなどと同じレベルの独立した「アプリ」「プログラム」なので、それが使えなくなると、対応が非常に面倒になるのはよく理解できます。

とはいえ、Windows/Mac/Linux上では「Chromeアプリ」のサポートはすでに終了しています。分かっている人なら「Webの同じサービスを使えばいいでしょう」となりますが、Chromebookを使っているのが学校の先生方や生徒達となると、そうはならないんですね。

ということで、GoogleはChrome OSでの「Chromeアプリ」のサポートを、当初の2022年6月から2025年1月まで伸ばしたんでしょう。

混乱していると言われても仕方ない気がします。「顧客視点」が欠けていたといえるかもしれません。ユーザーのことを考えて「Chromeアプリ」を用意したのに、それが時間とともにChromebookの最大の特長である「シンプルさ」を阻害することになったのだと思います。機能を追加するのは、ほんと難しいんだと思います。Googleでさえミスる。

でも、Chromebookがはとてもよいコンピュータなのは間違いないです。いまボクは、Windows、Mac、Chromebookを3台並べて仕事をしていますが、いろいろ違いが見えて面白いですよ。Chrome OSクローンのCloudReadyを使えば、古いWindowsマシンやMacタダでChromebookにできますので、ヒマがあれば、試してみてはどうでしょうか。参考記事はこちら

最後に営業。だいぶChromebookについても詳しくなってきたので、原稿のご依頼とかあれば、お声がけ下さい。



今の仕事場:左からChromebook、Mac、Windows 11


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